生涯、自分の歯を残すためのお手伝いをします
予防歯科とは?
従来のように「悪くなった歯を削って治す」治療ではなく、「充分なケアをして悪い歯を作らない」ことを目的としています。
そのため、小さいお子様であれば、むし歯の無いお口の環境を作ることが可能ですし、 成人の場合は、治療した部分の再発を防ぎ、新たなむし歯や歯周病を予防することができます。
PMTC
毎日きちんと歯磨きをしているつもりでも、むし歯や歯周病の原因となる頑固な汚れ(バイオフィルム)を完全に落とすことはできません。
バイオフィルムは、歯科医院で行う、
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
を行うことで除去できます。
PMTCは口臭予防にも効果的
口臭の主な原因は、口の中の細菌が古くなって剥がれた粘膜や血球成分、細菌の死骸などを分解して、揮発性硫化化合物(硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイド)を作ることによります。
口臭の予防としては、原因となる細菌を少なくすることが第一ですので、歯科医院でのPMTCをお勧めします。
歯周病と全身疾患との関係
歯を失う原因となる歯周病は、歯周病菌による感染症です。
歯周病菌は、血管から体内に移動すると各所で病気を引き起こし、深刻な病の引き金になります (脳卒中・肺炎・心臓病・糖尿病・未熟児出産・早産など)。
アメリカでは、糖尿病の患者さんに、まずは、歯科医院への受診を勧めています。
このように歯周病は、口腔内だけでなく全身にも深い関係があります。
PMTCはこんな方にオススメします
- コーヒーやお茶が好きで茶渋が気になる方
- タバコのヤニが気になる方
- 歯石がつきやすい、または歯が汚れやすいと感じている方
- 心疾患の予防、糖尿病の治療および予防をしたい方
- むし歯や歯周病の予防をしたい方
3DS(Dental Drug Delivery System)
むし歯は、むし歯菌(主としてミュータンス菌)による感染症です。口腔内で一度むし歯菌が住みついてしまうと、むし歯の発生・再発に悩まされることになります。
3DSとはDental Drug Delivery System(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)の略称です。
徹底したPMTCをおこなった後、患者さんの口にあった専用トレーを使って薬剤を一定時間歯の表面に作用させて、その効果を最大限発揮させようという方法です。
ミュータンス菌は歯の表面にだけ付着し、舌や歯肉の表面には付着することが出来ません。歯の無い新生児の口の中にはミュータンス菌はいませんので、この特性を逆に利用して歯だけに薬を使用することができればミュータンス菌だけを減少させることができます。
しかし、ミュータンス菌はバイオフィルムの内部で増殖していきます。この膜は、いったんできてしまうと、日常生活のブラッシングで除去することは不可能で、飲み薬や塗り薬が直接効かない環境を作ってしまい、 「磨いているのに虫歯ができる」 状態になってしまいます。また、口腔内に投与された薬はすぐに唾液により希釈・除去されてしまいます。
そこで、徹底したPMTCにより薬剤の浸透を妨げるバイオフィルムを取り除いた後、専用トレーを使って歯の表面に一定時間高い濃度の薬液を作用させることで口の中のミュータンス菌を減らすことができます。
この方法であれば、唾液に希釈されることなく、安全で確実に抗菌剤やフッ化物などの薬を塗布することができます。これにより、3DSでお口の中がさっぱりし、口臭も防げるというメリットもあります。(注意:まったく虫歯にならないのではありません)
3DSを行うことにより、通常のブラッシングを続けているだけで、ムシ歯菌の少ない状態が長期間維持されています。
一般的にこの効果は4~6ヶ月持続されると言われています。
3DSの手順
- PMTC
- 患者さんの口にあった専用トレーに抗菌ゲルを入れる。
- 患者さんの口の中に装着して5分間保持する。
- 洗口
- ご家庭では、1日1~2回トレーにフッ素含有のジェルを入れて、5分間維持し、歯の表面に作用させます。
※これを1週間毎日つづけると、その間に形成されるバイオフィルムの中にはムシ歯菌が含まれなくなります。実施回数が同じでも、集中して行ったほうが間隔をあけるより効果があると言われています。
3DSが必要な方
- むし歯になりやすい方(むし歯の発生を防ぎ、進行を抑制します)
- 乳歯にむし歯が多いお子さま(永久歯へMS菌が感染するのを予防します)
- むし歯が多発するお母さま(3DSでMS菌を除菌し、母子感染を予防)
- 唾液分泌量が減少している方(歯根のムシ歯、冠の周りのムシ歯を予防します)
大切なお子さまの歯をむし歯から守るために、前述したように、歯が1本も生えていない新生児の口の中にはミュータンス菌はいません。ミュータンス菌は、生後19ヶ月から31ヶ月くらいの時期に母親から唾液などを通して感染するといわれています。
小さいお子さまがいらっしゃる方は、家族全員が3DSを行い、むし歯菌をなくして、子供に感染するのを防ぐことが大切だと考えられます。
予防プログラム
むし歯はむし歯菌による、歯周病は歯周病菌による、感染症です。
その人にあった予防プログラムを実行すれば、詰め物や被せ物は長持ちし、むし歯や歯周病の再発を防ぐだけでなく身体の健康に寄与します。
ホームケアでは、得ることができない本格的な予防歯科を体験していただきたいと思います。 (当医院のクリーニングには、次亜塩素酸精製水を使用しています)
ADULTプログラム(16歳〜大人が対象)
むし歯のプロセスは、むし歯菌の感染、歯面の定着、むし歯菌より産生される酸により歯が脱灰(歯が溶ける現象)し、歯の表面に穴が形成されます。
今までの歯科治療は、むし歯によってできた穴を修復する事に重点を置く診療が主流でしたが、これからは、むし歯のプロセスを停止させることで、健康な歯を守る診療に変わってきました。歯周病もむし歯と同じように細菌による感染症ですので、定期的なメンテナンスによって、進行のプロセスを停止させることができます。
ADULTプログラムは、OHIS(歯周病の最新知見に基づく世界基準のリスク評価)を参考にした予防歯科プログラムです。患者さんのご希望内容を聞いて、むし歯や歯周病の様々な検査を行い、現在のお口の状態について、カウンセリングを行います。また、検査結果を基にオリジナルメニューによる予防プログラムを行います。
内容としては、お口の状態と生活環境に合わせ、その方に適した食事アドバイス、正しいホームケアを指導し、歯石およびコーヒー、紅茶、タバコなどによる着色除去、PMTC、フッ素療法を行います。
KIDSプログラム(0〜16歳が対象)
最近は、口腔習癖の問題があるお子さんが多く見られます。
舌や口唇、頬による不正な力によって歯の崩出するスペースが無くなり、顎骨の発育に制約を受けて います。口腔の領域が狭くなると舌は、喉の方へ移動し気道が狭くなります。その結果、鼻呼吸がおこなえず口呼吸を行うようになります。
口呼吸は、気道の呼吸抵抗もあり、呼吸が浅く、肺尖まで空気が届きづらいので慢性の酸素不足を招きます。小児の場合は、酸素の摂取量の80%は、脳で消費される為、脳への影響も考えられます。また、口呼吸を長期にわたって行うと開咬や口腔内の乾燥によってむし歯なりやすい状態になります。
以下のような症状がある場合は、口呼吸で生活している可能性がありますので、 早期に咬合指導・成長指導(かみ合わせ治療)を行う必要があります。
- 朝起きるとのどが痛い
- 風邪を引きやすい
- 夜は、横または下を向かないと眠れない
- 睡眠が浅く、イビキをかく場合が多い
唾液検査(サリバテスト):検査当日、1時間前の歯磨きや洗口剤はご遠慮下さい
KIDSプログラム
■1~4歳
3ヶ月毎の定期検診を行い、舌、唇、頬の口腔周囲筋の訓練やフッ素塗布、親御さんへは口腔からの育児指導、ブラッシング指導を行います。
■5~11歳
3ヶ月毎の定期検診を行い、鼻呼吸の確認を行った後、舌、唇、頬の口腔周囲筋の訓練やフッ素塗布、食事指導、親御さんだけでなく、子ども自身が自分で正しく磨けるようにブラッシング指導を行います。
■6歳
「6才臼歯」が萌出する時期です。歯も幼弱で虫歯にかかりやすく、咬む面の溝が深いので磨き残しが多くなります。6才臼歯が顔を出したら一度ご来院ください。
料金
唾液検査(サリバテスト) | ¥5,500 |
口臭検査(オーラルクロマ) | ¥5,500 |
レントゲン検査+PMTC |
¥17,600 |
レントゲン検査+PMTC |
¥8,800 |
ステイン除去 | ¥4,400 |
フッ化物塗布(濃度:9,000ppm) | ¥1,200 |
【1回目】上下カスタムメイイドのマウスピースの型採り 【2回目】PMTC+除菌 【3回目】PMTC+除菌 2回目~3回目までの期間にご自宅でフッ素ジェルをマウスピースに入れてご自身で行う |
¥55,000 |
フッ素ジェル(1本) | ¥2,200 |
カスタムトレーがある場合(PMTC+除菌:1回) | ¥16,500 |
【料金は税込価格です】